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「この辺に、まだ世に出ていない絶景はあるか?」

宗村 浩平

宗村 浩平

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王道グランドサークル 2泊3日ツアー

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📅 3日間 ⭐ 5.0(41件)

最近、年齢の計算はあまりしないようにしています。

でも、ふと気づくんです。9.11同時多発テロが起きたのは2001年。つまり今のお客様の中には、あの出来事をリアルタイムで知らない世代も増えてきました。四半世紀ですからね。そりゃそうです。

その翌年、熊本の田舎から出てきた私を拾ってくれたのがネバダ観光サービス。そして今の社長、KAZU社長でした。

ネバカンは30年近く旅行業を続けていますが、この業界は本当に浮き沈みが激しい世界です。9.11、SARS、リーマンショック、そしてコロナ。普通の会社なら何度か沈んでいても不思議ではありません。でもネバカンはなぜか生き残る。いや、生き残るどころか、毎回何かを掴んで帰ってくる。もはや「水の呼吸」を超えて、

 ”エラ呼吸できる旅行会社” だと思っています。

仕事がなくなった2002年

9.11の影響で仕事が激減した2002年。当時のスタッフたちは思いました。「何もしないのが一番もったいない」

そこで向かったのが、まだほとんど知られていなかったグランドサークル。今のような人気観光地ではありません。言ってしまえば、新規開拓という名の気晴らし。

アリゾナ州ページにあるレイクパウエルリゾートに泊まった翌朝。KAZU社長はホテルスタッフに聞きます。

「この辺に、まだ世に出ていない絶景はあるか?」

すると返ってきた言葉が、「あるよ。まだ誰も知らない秘密の場所が。」

その場所こそ、アンテロープキャニオン

まだ誰も知らなかったアンテロープキャニオン

今では世界中から観光客が集まるアンテロープキャニオン。しかし当時は、知る人ぞ知る場所でした。

アンテロープキャニオンは何百万年もの間、鉄砲水(フラッシュフラッド)が砂岩を削り続けてできた渓谷です。もともとはナバホ族の居留地の中にあり、長い間外部にはほとんど知られていませんでした。

ナバホの友人に聞いたことがあります。「昔は若者のデートスポットだったよ」と。なるほど。日本でもナバホでも、若者は人が来ない場所が好きらしい。何をしていたかは……まあ聞かないでおきましょう(笑)。

アンテロープキャニオンの暗闇に浮かぶ幻想的な光と曲線を描く岩壁

写真家たちが見つけた奇跡

転機が訪れたのは1980年代。風景写真家たちがこの場所を見つけ始めます。特に有名なのが、光のビームが差し込む幻想的な写真。現在のアッパーアンテロープキャニオンです。

その写真が写真集や雑誌で紹介され、さらに『National Geographic』にも掲載されることで、アンテロープキャニオンは世界中の写真家たちの憧れの場所になっていきました。それでも当時はまだ、「写真家だけが知る秘密の絶景」だったのです。

ネバカン軍団、初めてアンテロープへ

そこへ登場するのが2002年のネバカン軍団。当時のアンテロープキャニオンには、今のような立派な施設はありませんでした。入り口にいたのはナバホのおじさん2人。そしてオンボロのトラック。チップを渡し、荷台に乗せられ、気分は完全に

「市場へ運ばれる子牛」

です。ところが到着した瞬間、全員言葉を失います。そこには今と変わらない、世界最高峰のスロットキャニオンがありました。「これはすごい。」誰もがそう思ったはずです。そしてネバカンは日系旅行会社としていち早くツアーに組み込むことになります。

アンテロープキャニオンの鮮やかなオレンジ色の岩壁と天井から差し込む青空

人気になりすぎたアンテロープキャニオン

ところが人気になると別の問題が出てきます。SNSです。Facebook。Instagram。スマートフォンの進化。そして”映え”ブーム。アンテロープキャニオンは世界的スターになりました。そして次にやってきたのが、オーバーツーリズム。

現在のアッパーアンテロープキャニオンやローワーアンテロープでは、

  • ゆっくり写真を撮る時間が少ない
  • 人の写り込みを避けるのが難しい
  • 入場料金が上がり続けている

という現実があります。

アンテロープキャニオンに押し寄せる観光客の群れ。オーバーツーリズムの現状

ネバカンがキャニオンXをおすすめする理由

ここからはガイドとしての本音です。私はやっぱり、お客様に良い写真を残してほしい。せっかく何十時間もかけて来るのですから。そこでネバカンが注目したのが、キャニオンX(Canyon X)でした。

現在ネバカンでは、特別なご希望がない限りキャニオンXをご案内しています。理由はシンプルです。

  • 雨に強い
  • 入場人数を制限している
  • 写真が撮りやすい
  • 現地ガイドのレベルが高い

特に「雨に強い」は本当に重要です。何十時間もかけて来て、現地で「本日はクローズです」と言われる絶望感。あれはなかなかの破壊力です。その時の私の顔は、たぶん撮影禁止です。いや、撮れてもピント合ってないと思います。

キャニオンXの細い通路に差し込む光。人が少なくゆっくり撮影できる環境 キャニオンXの縦長の渓谷に降り注ぐ光のビーム。砂岩の赤と白のコントラスト

実はアンテロープは一族経営

最後にちょっとした裏話。アッパーアンテロープ。ローワーアンテロープ。キャニオンX。それぞれ運営会社は違います。でも実はオーナーたちは親戚同士。つまりアンテロープキャニオンは、ほぼ一族経営です。

そして私は知っています。彼らは親戚です。親戚なのですが……まあ……仲が良いとは言いません(笑)。現地の友人たちから色々聞いております。

アンテロープキャニオンでナバホのガイドが観光客に歴史を説明している場面

だから私たちは物語ごとご案内したい

アンテロープキャニオンは、ただの映える観光地ではありません。ナバホの若者たちの秘密の場所だった時代。写真家だけが知っていた時代。そして世界中の人が憧れる場所になった現在。ネバダ観光サービスは、その変化を20年以上見続けてきました。

だから私たちは、ただ写真を撮るだけではない、この場所の歴史や物語ごとご案内したいと思っています。

・・・とは言え。親戚同士のケンカはほどほどにして、ツアー代はこれ以上上げないでほしいなぁ(笑)。

アンテロープキャニオンに差し込む光のビームと見上げる観光客たち
宗村 浩平

この記事を書いた人

宗村 浩平

ガイド歴22年。就職氷河期の日本を飛び出しアメリカへ—あの賭けは大正解でした。ラスベガスからグランドサークルまで、この地の楽しみ方ならどこでもお任せください。

宗村 浩平

ガイド歴24年。就職氷河期の日本を飛び出しアメリカへ—あの賭けは大正解でした。ラスベガスからグランドサークルまで、この地の楽しみ方ならどこでもお任せください。
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